金属光沢の話
昨日に引き続いて今度はグラフィックのお話です。
現行のRSE3.5系にはRSE黎明期から「金属光沢」という機能が引き継がれています。この機能はその名の通りモデルデータを描写する際に表面の質感をテカテカにすることでユニットの金属らしさを強調するものです。本来RSEは「Raiders」という架空の軍用機が飛び回る為のものなので武器であるRaidersが持つ鋭利な質感を表現するために一役買っていた機能です。
ToWの制作にあたってはこれがヒジョーに厄介な問題となっていたりします。
ToWそのものはRSEで実在する現代のジェット戦闘機を扱うパッケージです。ToWが世に放たれたとき、RSE用パッケージとして実在ジェット機を売りにしたものはToWが恐らく初めてで(過去に存在していたらごめんなさい!)、当時はそれだけで珍獣扱いされたものです。
次第に制作スキルが向上し精細なグラフィックデータの作成が容易になってきました。戦闘機特有のパネルラインや排気や劣化による汚れなどを再現することが出来るようになると、RSEの「金属光沢」が大きな壁となることがわかったのです。
RSEやSpE4はもちろん、今世紀の3Dゲームの大半はキャラクターなどの形が記録されたモデルデータは本当に形の情報しか記録されていません。なので表面の質感を表現するにはテクスチャという画像ファイルを用いることになっています。ToWではテクスチャに戦闘機の迷彩やパネルライン、マーキング、汚れ等を書き込んでいくわけです。
RSEはこのテクスチャの上から更に「金属光沢」の描写を行うためせっかくの汚れやマーキングなどがテッカテカになって白飛びしてしまうのです。実戦機としての凄みも何もあったものではありません(と私は個人的に考えています…)。
Rectangle公式サイトの開発日記と電プロさんから提供された開発中SpE4によると、SpE4では新たにスペキュラマッピングとバンプマッピングがサポートされることになっています。「金属光沢」問題はこの2つのマッピング方式によって大きく改善されると思われます。
次のエントリではこの2つについて書きます。