移植の話

ご無沙汰していました。
ToWは順調に…とはちょっと言えませんが中の方でかなり進展を見せました。
ここ数週間はToWのコードをSpSに適した形で書き直していました。いわば移植です。


すこし昔の話をすると最初期のToWはRSE3.0系で動作するものでした(そういえば当時のRSEは"RaidersSphereEditor"でしたねぇ…)。RSEはその後RSE3.1、3.2系を経てRSE3.5系にバージョンアップされ、SpSがサポートされました。SpSはSphereScriptの略で、RSEの後継エンジンであるSphereEngine4(以後SpE4)で採用される”最 新 の”スクリプトです。

RSE3.0系でサポートされていたいわゆる旧スクリプトは記述するにあたっての制約が数多く存在しさらにはコードが長くなれば長くなるほど大変見辛くなるなど、独自機能満載な大規模パッケージの制作には向かない事情がありました。そりゃ元々は「RaidersSphere」を作るためのスクリプトですから仕方ありませんよね。

さて事情が一変したのは2,3年ほど昔のこと。

徐々にRSE3専用パッケージを自作するツワモノ達が現れるようになると旧スクリプトの制約の改善や機能の拡張を求める声が多くなりました。そこでRSEの開発者 電プロさんがユーザーの要望をRSEに取り入れる事を決定、以降大変多くの機能が追加され、制約も少なくなって来ました。
ですが電プロさん自身もRSE3.0系をベースとしたエンジンの設計に限界を感じたらしく、次期RSEつまりSpE4の開発を表明しました。SpE4の開発は進んでいるらしく、その様子はRectangle公式サイトの開発日記からも垣間見ることが出来ます。

長くなりましたがSpE4のスクリプトであるSpSが実装されたRSE3.5系の登場により、RSE用自作パッケージの可能性は大きく広がりました。前述の制約も大きく改善されましたし大規模なコードを書くにしても見やすく”書けるように”最適化されました。

ProjectICKXがリメイクを手がけた「EFFY one of unreasonable "if"(以後EFFY)」の鮮烈な登場はまさにこの象徴といえるでしょう。

私もEFFYのコードを覗いてみましたが、一貫してSpSの特性を活かした記述で統一されていて自作パッケージ制作者の一人として驚愕したものです。


そしてなにより現行のRSEでSpSが動作するということは、比較的容易な作業でSpE4パッケージを動かすことが出来るという魅力があります。いずれRSEには終止符が打たれることでしょう。今だからこそSpSをマスターする意味があることを遅まきながら痛感しています。

RSE3用自作パッケージそのものはRSE3.0系時代から有志の手によってたくさん誕生しています。リメイクを経て生まれ変わったEFFYからも分かるように、ハイエンドな3Dグラフィックバリバリの商用ゲームが台頭しつつある現代でも十分通用するRSE用自作パッケージは探せばいくらでもあるでしょう。これらの資産を私たちパッケージ制作者は生み出して行かなければならないと考えています。

明けましておめでとうございます。

明けましておめでとうございます。
時間が経ってしまいましたが報告が二点あります。
まず一点目。
去る12月19日、前回お知らせした秋葉原DoujinトライアルフェスタにTrail of Wingsの試遊台と体験版、そしてPVを出展してきました。

Trail of Wings 7th - PV01

会場にはRS3の後の世界を描いたパッケージとして著名なEFFYでおなじみのProjectICKX様も出展されていました。

EFFY one of unreasonable "if"
http://www.effy.info/


二点目、Trail of Wingsの体験版を公開しました。

"Trail of Wings" the 7th - Trial
http://nrtwd.wakabadou.net/tow7trial/

体験版の内容はトライアルフェスタにて頒布したものと同一です。
恒例のアフターバーナーに加えてスピードブレーキ(スポイラー)も実装しました。「read_me.txt」に記述があるとおり、加速キーを「トン」と叩くように入力するとアフターバーナーの点火と終了が行えます。スピードブレーキは減速キーで同様の操作を行うと使用できます。
また、オンライン対戦に対応した「インスタントバトル」ミッションが搭載されています。詳しくは「read_me.txt」をご覧ください。

秋葉原Doujinトライアルフェスタに出展します

いきなりですが、12月19日(日)に東京秋葉原ホワイトキャンバスにて開催される「秋葉原Doujinトライアルフェスタ」に参加します。

秋葉原Doujinトライアルフェスタ
http://doujin24.com/trifes/

会場では最新版Trail of Wings(ToW)の体験版を実際にプレーしていただける他、大型ディスプレイにてPV再生を他サークル様と交代で行います。

最新版Trail of Wings - ミッション1出撃シーン


Trail of Wings - プロローグ

少数ではありますが、会場で展示しているものと同じToW体験版を収録したCD-Rを無料で頒布いたします。ご関心のある方はお早めにお越しください。

(前略)エクストリーム(中略)くぐり(後略)

今回のToWの舞台となる南海に浮かぶ離れ小島の造成を行っています。

軍港が形になってきたついでに新しいエンターテイメントを創造してみました。
”エクストリーム・ガントリークレーンくぐり”です。



ルールは簡単、港にある14個のガントリークレーンの足下を颯爽と貫くだけです。

中の人は12回トライしてようやく成功しました。
せっかくなのでオンライン対戦で流行らせようとしています(何

さて、まじめな話に戻りますと、ごらんのように島から港からガントリークレーンまでフルスクラッチでユニットを制作し配置しています。

島ユニットに子オブジェクトとして建物など様々なユニットを配置する方法をとっていたのですが、どうやら1つのユニットに設置できる子オブジェクトは62個までのようです。合計で63個目になるオイルタンクを配置した途端にRSEが落ちるようになったので、おそらくそうなのでしょう。

ただ、.plcファイルで島の建物などを配置すると、別ミッションなどで島の位置や向きを変える際に建物などの配置もすべて一新しなければならないので対応に苦慮しています。

(もしかすると、子オブジェクトに子オブジェクトをつけるといいかもしれません(未検証))

進化するToW(と中の人)

前回の更新から3週間ほど経ちまして、制作中のToWも格段と成長してきました。

今回は次の3点をピックアップします。
・存在感溢れる機体テクスチャ
・格納庫画面をより格納庫らしく
・新型スクリプトの習得成果

1.存在感溢れる機体テクスチャ
お伝えの通り、今回のトライアル版には8種類の現用ジェット機を収録しています。本日、ようやく8種すべてのテクスチャが完成しました。
特に機体下面の描写を大幅に強化した事により、航空機が「厚み」を持つようになりました。これでようやくスクリプティングに専念できそうです(ぉ

2.格納庫画面をより格納庫らしく

RaidersSphere関連イベントで公開したパッケージにて先行実装していた格納庫を、今回からウェブ配信パッケージにも実装します。
更に、これまで何となくそれっぽい建物を配置していたに過ぎなかった格納庫も大きくパワーアップしました。
まず、搭乗や整備に使われるタラップやラックに載せられた超音速増槽などのアクセサリー類を配置し臨場感を演出しています。
そして建物の構造にもこだわり、スクランブル発進に備えるパイロットたちが待機するアラートパッドからの通用口や、整備員出入り口、機体を外界から隔てる開閉扉などもより精密に再現しました。
画像のテクスチャは急造品なので、これから更にグレードアップします。

3.新型スクリプトの習得成果
前回も触れた新型スクリプトについて、こちらも大きく進展しました。
Twitter等で皆様の力を借りてようやく新型スクリプトで「可変翼制御スレッド」と「アフターバーナー制御スレッド」を実装できました。
非常に敷居が高く感じられた新型スクリプトですが、慣れてくるとその便利さを痛感します。
一例にToWの「アフターバーナー制御スレッド」を挙げますと、旧来のスクリプトでおよそ200行で記述していた物が新型スクリプトではたったの50行で同一の物を記述する事が出来ます。
しかも、旧来のスクリプトでは扱えなかった計算などが新型スクリプトでは扱えるようになっているなど進化した点は枚挙にいとまがありません。
新型スクリプトに慣れなければいけませんね。

最後になりましたが、オンラインスクリプトの構造や各スレッド等の役割も大まかに把握し、ToW用のオンラインスクリプトにも着手しています。

ToWと新スクリプト

RSE3.5のサンプルコード、つまり新スクリプトのプロトタイプが公開されてからまもなく1年が経ちます。
なぜこの話題かと言いますと、ToWの中の人は新スクリプトを習得中だからです。

ハイレベルなパッケージ制作者の皆さんはいち早くこの新スクリプトを習得され、RSE3.5はもとよりSphereEngine4を見据えたパッケージ制作にすでに取りかかられています。
一方私は新スクリプトに脇目も触れずにモデリングとテクスチャ制作に明け暮れていて、気がつけば新スクリプトに完全に乗り遅れてしまいました。

つい先日、「RENA」「Re-Birth」「試験管 Test tube」の制作者で知られるJoJo様の協力により、ようやく新スクリプトでToWを稼働させることに成功しました。
また、「試験管 Test tube」のアップデートによりオンラインスクリプトのサンプルが追加されました。このサンプルを参考にして当面は先日お知らせしたテクスチャ制作と並行してオンラインスクリプトを研究します。

・RENA - http://3rd.geocities.jp/renarenars3/
・Re-Birth - http://renars3.blog46.fc2.com/blog-entry-71.html
・試験管 Test tube - http://renars3.blog46.fc2.com/blog-entry-65.html